情動と科学のバランス


2005年11月3日木曜夜10時からTBSラジオ・アクセスで読書週間若者にも大人にも広がる本離れを考える。今の時代、本を読まなくても別に問題ないと思いますか?と題して放送されていました。

コメンテータの人は本を読む効果について「生きる楽しみを見つけることができる、人の人生を知る事ができる」その人を知るのに本は大きく役にたつとコメントされていたました。
現代社会で生活に必要な物、出来事、行動に対処する情報構造は、左脳を優先させるようにつくられています。左脳が優先する社会は複数の解決されない問題を、脳が維持する連続の中で生きるようになります。物質変化、激しい社会構造の変化に対し、短時間で問題が解消される形の作られた情報が得られる事は競争社会で優位に働きます。

しかし、未知で不透明の解決されない問題意識は深い部分に蓄積され、ストレスとして出てくる事があります。
情報を形として得る習慣のついた社会は、無意識の中にある目に見えない情報を得ようとする脳のシステムを退化させるので、人間性といわれる情動の働きを弱め、仕事対人関係等に支障をきたし衝動的な行動をとるようになります。

問題の解決法の一つとして、本を読み創造性を養う事は、満足の行く人間生活、社会の方向性を決めるのに必要でしょう。
自然の造形に触れながら本を読む行為は右脳の働きを活発化させ自身の内面にある物質社会で創られる左脳の葛藤「うつ症状」を和らげ、人間の心が求める心の安らぎを得られるます。

本を読む時間は無駄のように思われますが、思考の中にある想像する行為は左脳前頭葉等の意識感覚を拡大させ、長い間解決されず蓄積継続されている問題意識「ストレス」の解消につながることもあります。

左脳を活性化させる集団の競争社会は、物質による優位性を得ようとするため、心の安らぎを求める本質を見失い、相手の立場で考える事のできない人が多くなります。本を読む行為は、それらを解消する効果があるのではないか」ともコメントされていました。


本を読むとき無意識に意識される心の働きは、人間が対話するとき相手の心の奥にある情動を読み取り、言葉の奥にある意味を理解する情動を養うことができます。そのような行為の中から適正な判断力、人を思いやる心を養うこともできます。


先日高校1年16歳の女生徒が47歳の母親に、ネズミの駆除などに使われる劇物、タリウムを少量ずつ飲食物に混ぜて飲ませ、母親が呼吸障害などで意識不明の状態に陥った殺人未遂事件がありました。少女を知る人達は、普通の女の子だが一人で遊んでいる事が多く、学校では化学部に所属、薬品関係に強い興味をもっていた。少女の部屋から英国で1960〜70年代にタリウムなどの劇物を使い、義母や同僚を次々と毒殺したグレアム・ヤングの本が見つかったと新聞に書かれていました。


母親と子供の関係は、自分自身と同じ霊体を共有するため、一番大切な存在となるはずの母親に殺意が向けられている。母親の精神的教育にも問題はあると思いますが、感情を必要としない偏差値や結論だけを追い求める科学に価値観をもつ傾向が、少女の行動に影響をあたえている可能性があります。科学は人間に富をあたえますが、情動とのバランスが崩れ結果だけを追い求めると不幸をまねく事があります。




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